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2006年02月28日

自然派ワインをもっと知りたい方へ

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(水谷) 店長の山本さん、自然派ワインについて教えてください。そもそも自然派ワインとはいったい何ですか。

(山本) 一言でいうと今流行っている「オーガニック」、「有機野菜」のワイン版です。最近では、有機農法でつくった野菜とかが店頭に並んでいて、こだわりの食材ということで選ばれているお客さんが結構いますよね。そのワインでの分野のことを「自然派ワイン」と呼んでいます。

(水谷) オーガニックとは何ですか。もう少し詳しく教えてください。

(山本) 人口添加物、農薬、保存料、化学肥料、除草剤といったものを使わずに、有機でつくっている野菜です。

(水谷) 今は「食」に対する問題が結構ありますね。

(山本) そうですね。スローフード等で食に対する関心が、より自然なものをというほうに意識が向いてきているところです。そもそも、ワインの原料であるブドウを生産するまでは、有機栽培があたりまえなのですが、ワインという製品になるまでの過程で工業製品的にいろいろな添加物を加えたり、人の手を加えて大量生産だとか、味の調整をしていってしまうものが多いのです。

(水谷) そうなんですか?私はそれを聞いてちょっとびっくりしているのですが、市場に出回っているワインはほとんどがそうなんですか?

(山本) そうですね。味の品質を一定化させるためという部分でもあり、そういった部分は肯定できるところなんですが、口に入れるものなので、より自然なものがいいのではないかということに、昔ながらのつくり方をもう一回今によみがえらせて、回顧主義的なことを見直す動きがでてきているのです。

(水谷) そうすると、昔はすべてこういう手法でつくっていたのですか。

shizen1.jpg(山本) そうですね。そこから商品という感じになってきたので、どんどん量を増やさないといけないし、味の一定化というものもやっぱり図っていかないといけないということで、そういった分野が発達していってしまったのです。

(水谷) 今は手づくり料理とか「食育」ということが見直されていますね。まさに原点回帰というか、本当にその名の通り自然派ワインなのですね。

(山本) そうですね。

(水谷) 具体的には、通常市場に出回っているワインの何%ぐらいが、そのような加工をしているのですか?

(山本) 8割、9割強ですね。酸化防止剤と言われるものです。

(水谷) つまりそれはワインの酸化を防ぐために入っていると。

(山本) ええ。

(水谷) それは体にはよくないのですか。

(山本) もちろん医学的に、体に入れても大丈夫だよという規定の範囲で入っていますが・・・。

(水谷) 微量ではあるけれども、本当のことを考えたらよくはないと。

(山本) そうですね。

(水谷) でもそれがワインで出回っているというのはびっくりですね。

(山本) 最近ではそれがもう当たり前という感じになっています。

shizen2.jpg(水谷) なるほど。つまり自然派ワインというのは、酸化防止剤などの不純なもの、要は品質を維持するために人間が手を加えたものは一切入っていない、本当に昔ながらの手法でつくっている、自然で健康によいワインということなんですね。

(山本) そうですね。

(水谷) では、この自然派ワインとはいったい誰がつくり始めて、現在誰がつくっていて、どんな人が広めているのでしょうか。

(山本) 最初に名前として出てくるのは「ルドルフ・シュタイナー」という農学者で、農学部の権威の方です。

(水谷) どこの方ですか。

(山本) オーストリアです。そして農・医学的なところで、より自然なものが体にいいよということで、それをワイン生産に取り入れたのが「ジュール・ショヴェ」という人です。

(水谷) この方もオーストリアの方ですか。

(山本) フランス人です。その人が「自然派ワインの祖」と言われる人です。

(水谷) ではその人が最初に広めていったというか、パイオニアですね。

(山本) ええ。

(水谷) それは具体的に何年ぐらい前から始まったものなんでしょうか。

(山本) 1900年代の中盤からですね。それを広めていったのが「マルセル・ラピエール」、もしくは「ニコラ・ジョリー」という人です。

(水谷) お二人ともどちらの方ですか。

(山本) 「ニコラ・ジョリー」はフランスのロワール地方で、「マルセル・ラピエール」はブルゴーニュです。「ニコラ・ジョリー」は特に「自然派ワインの伝道師」とも呼ばれていたりしました。

(水谷) ではその方たちがその考え方に賛同して、ワイナリーみたいなものをつくって、それを生産してどんどん広めていったということですね。

(山本) ええ。

(水谷) 聞いていると、自然派ワインは本来どの人にでもいいという感じなのですが、実際にはどんな方にお薦めなんですか。

(山本) 現地のフランスでもそうですが、日本でも最近特に注目しているのはレストランのソムリエさんですね。

(水谷) 伝導していく立場にある方たちですね。

(山本) そうですね。

(水谷) その方たちがまず飲んでみるわけですが、彼らも自分たちが好きなもの、本当にいいものしかお薦めできないですね。

(山本) ええ。

(水谷) ソムリエさんたちが飲んでみて、実際にはどうなんですか?

shizen3.jpg(山本) よく言われる自然派ワインの特徴として色が淡いというか、一般の方は薄いイメージにとらえるのですが、それは人が無理に色の抽出をしていない、つくりも自然のつくりなので、自然に出てきている色・・・。

(水谷) ブドウ本来の色ということですね。

(山本) そうですね。そういったところで飲んでみて、色のイメージからするとちょっと薄い味わいかなという感じがするのですが、梅酒でもエキス分はすごくたっぷり入っていて、うまみですね。酸化防止剤というものが全く入っていない生産者もいますし、年によってごく少量だけ入れているときもありますが、そういったものが少ないということで、翌日に頭が痛くならない、二日酔いにならないというメリットもあります。優しい味わいなので口に入れたときものどに引っかかりがなく、するするという飲み口で、体にじわじわっとしみ込んでいくような味わいで、それが本来のワイン、ブドウの味わいなんだよということでお薦めしていることが多いですね。

(水谷) やっぱり自然なんですね。

(山本) そうですね。

(水谷) そのソムリエさんとか、ソムリエさんに近い立場の人たちで、ワイン好きで相当にいろいろなワインを飲まれている方もいらっしゃると思うのですが、そういう方もやっぱり自然派ワインを・・・。

(山本) 最初はやっぱり今まで出ていた、通常の工業製品的なワインがほとんどだったので、そういったものを口にしていて、徐々に自然派ワインというカテゴリーのものを口にするようになって、最終的にたどり着くワインの形態というか・・・。

(水谷) 突き詰めていくと最終的にはそこに・・・。

(山本) 行くということですね。

(水谷) 自然だから本物ということで、そこに行くというケースが多いと。

(山本) ええ。

(水谷) でも日本では知らない方もまだまだいらっしゃるわけですね。

(山本) そうですね。商売的に、「有機農法でつくったブドウのワインですよ」というふれこみで、商品もかなり出ているんですが、そういったものにはブドウからワインにするときにまだ手が加えられているものが多いようです。ですから、本当においしいものはやっぱりまだ少ないんですよ。

(水谷) 真の意味での自然派ワインというものの流通が、日本ではまだまだ少ないということですね。

(山本) そうですね。

(水谷) 山本店長は、いろいろなワインを取り扱っていらっしゃる中で、なぜ、自然派ワインにほれ込んでいるのですか?

(山本) 「大橋健一」という人が日本における自然派ワインでは有名な第一人者になっていて、私の師匠にあたるのですが、その人から、自然派ワインのことを聞いて、「これからのワインはこういったものになっていくよと」という考えに強く賛同しているからです。

(水谷) なるほど、もう少し賛同している点を詳しく聞かせてください。

(山本) ワインという飲み物が混ぜものをしない、アルコールの中ではブドウだけしか使わないんですよ。ほかのビールとかウイスキーとか焼酎とかは全部、原料があって水などを加えてつくっていくんですけど、ワインに関してはブドウだけを使って出てくるお酒なんです。

(水谷) えー、ワイン以外は混ぜているんですか?例えば今は焼酎がはやっていますね。日本酒を抜いたと言われており、私も芋焼酎が好きなんですが・・・。ひょっとして焼酎も混ぜているのですか?

(山本) 芋焼酎でも原料のイモに水を加えてつくっていくんですけど、ワインだけは雨水をブドウの根っこが吸って実になったものしか使わないんです。

(水谷) ワインは本当に純粋というか、原材料だけでできているのですか。

(山本) ええ。日本ではまだ少ないんですけども、世界各国ではワインという部分が人の生活に一番根づいているお酒なんです。

(水谷) フランスなどでは水代わりにと、よく言いますね。

(山本) ええ。

(水谷) ではいろいろなお酒の中でも、もともとランク的には自然に近いランクであったわけですね。

(山本) そうですね。そういったものの中で、まだまだ日本の中では消費量が少ないワインなんですが、一番人に根づいているものとしてそれを広めていきたいと。その中でもより自然なもの、自然派ワインを特化していこうということで・・・。自然派ワインに力を入れているのです。

(水谷) ワインの中でもさらに、もっと自然なものをということで自然派ワインとして、お店を通じて普及されているということですね。

(山本) ええ。

biomark.gif(水谷) では最後に、今聞いていて私も自然派ワインにすごく興味がわいたのですが、具体的にはどうやって楽しんだらいいですか?飲み方だとか、選び方だとか、自然派ワインの楽しみ方をちょっと教えていただけないでしょうか。例えば私の場合はまだ知らずに、飲んだこともないわけですから初心者になりますが、選び方としては・・・。

(山本) まず選び方から行くと、ワインショップなり専門店でも、このワインはこういったつくり方をしているものだよというデータというか、生産者から直接入手した情報を持っているところでないと、さっきも言ったみたいに自然派とかたっているワインも多く出ているので、それを見きわめているお店で買うことですね。

(水谷) なるほど。例えば自然派ワインを証明するマークだとか、それこそ今はお肉でBSEが問題になっていますが、生産者のデータをちゃんとたどっていって表示したり、そのような取り組みをやっているワインショップで、専門的な知識のある方に相談するということがよろしいのですね。

(山本) そうですね。ショップでも温度管理というところもやっぱり必要になってきます。

(水谷) やはり自然になればなるほど新鮮ということでもあるわけですよね。ですから魚でもそうだと思うのですが、取れたてが一番うまいわけですね。

(山本) 特に鮮度というものが出てくると思います。

(水谷) 鮮度がすごくシビアになってくるということなんですね。

(山本) ええ。

(水谷) 当然酸化も早くなってしまうわけですね。

(山本) そこが自然派ワインの不思議なところで、普通のワインよりも日もちがするんですよ。

(水谷) えっ? それは一見して矛盾のように聞こえますが・・・。

(山本) つくる過程でいろいろな、色の抽出をよくするとか、人工的な作業をしてしまうので、酸化が早くなってしまうんですよ。それを抑制するために酸化防止剤を突っ込んでいくんですけど、自然派ワインではそういった人為的な作業は極力していないので、ブドウが本来持っている力というものが強いんですよ。

(水谷) 日もちもよくなってしまうと。

(山本) ええ。通常だとその日に飲まないといけないとよく言われますが、自然派ワインになってくると1週間ぐらいは平気で品質を保っているんです。ですから一般の方でも、今日飲んで明日飲んで明後日飲んでということもできます。

(水谷) なるほど。突き詰めていくと本当に自然なワインですね。

(山本) そうですね。

(水谷) ただ、聞いているとすごくいいことずくめのように聞こえますが、値段が高いとか、そういうことはないのですか?

(山本) すべて手作業で、農作業もすべて手によるものであったり、工業的な大量生産ができないので・・・。一般的な流通しているワインに比べると若干は高いかもしれません。

(水谷) 大量生産はされていないわけですね。

(山本) ええ。すべて人の目の届くところでしかつくっていないので、量はやはり少ないです。

(水谷) 1つの瓶の量が少ないということですか。

(山本) 総生産量です。

(水谷) 流通している生産量自体が少ないということですね。なるほど、わかりました。そうすると通常のワインより2割とか、何割増しとか、ワインによっていろいろだと思うのですが、どうなんでしょうか。

(山本) もちろん同じぐらいの価格帯なのですが、当店でも1,000円で買えるものもあります。

(水谷) 1,000円の自然派ワインもあるのですか?

(山本) ええ。

(水谷) まあワインですから、上はキリがないですよね。

(山本) そうですね。

(水谷) ビンテージものとか、そういうものももちろんあるわけですね。

(山本) ええ。

(水谷) こだわると、辿り着く「自然派ワイン」という意味がよくわかりました。ありがとうございました。

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投稿者 Melody : 2006年02月28日 13:24

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